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FEATURE#17「日本が世界に誇れる“美しいカデン”を。」 熊本 浩志 / 株式会社リアル・フリート代表取締役社長

プロフィール

熊本 浩志(くまもと ひろし)
1975年生まれ。1999年〜2002年9月まで(株)東芝在籍。2001年にイラストレーター若野桂を起用した電子レンジ「メカール」を商品化。続いて家電シリーズ「atehaca(アテハカ)」を自ら企画し、2002年2月に商品化を実現。家電の固定概念を打ち破るニュープロダクトととして様々な業界の注目を集める。2002年、株式会社リアル・フリート設立。2003年には機能性、デザイン性を追求したオリジナルブランド「amadana(アマダナ)」を立ち上げる。

イントロダクション

部屋に存在するだけで、「コレ、いいね」「いいでしょ」と何気なく意識させてくれる家電、それが『amadana』シリーズだ。2003年にこのブランドを世に送り出したのが、「リアル・フリート」という“21世紀型”の家電メーカー。従来の家電製品にはなかった斬新なデザインと機能性を融合、量販店販売ではなく、インテリアショップやセレクトショップ、直営店を中心とした独自の販売スタイルも注目を集め、私たちのライフスタイルに、より高感度で新しい“デザイン家電”というカルチャーをもたらした。
今春の【新生活応援キャンペーン】にあわせ、“美しいカデン”を創出し続ける「リアル・フリート」代表取締役社長 熊本浩志氏にインタビュー。

amadanaデザイン家電を合計10名様にプレゼント!
前編
後編
前編
大手メーカー社員が立ち上げた、個性派家電メーカー。

’03年にオリジナル総合家電ブランド『amadana』をデビューさせて以来、現在では30ラインナップ以上もの商品を展開。その溢れるオリジナリティとバイタリティの源泉とは。

めざしたのは、ブランドロイヤリティの復興。

高感度ユーザーを先陣に、私たちのライフスタイルにも今や浸透しつつあるデザイン家電。熊本は東芝在籍時代、『atehaca』シリーズなどその先駆けとなる商品をいち早く世の中にリリースしたフロンティアのひとり。いわばデザイン家電の生みの親だ。
「実のところ、これまで僕自身が“デザイン”と言う切り口を掲げたことは1度もなかったんです。意外に思われますが、デザインのいいものを作ってカッコ良く売ろう、というのが目的でない。『atehaca』を手掛けたいちばんの目的は、東芝におけるブランドロイヤリティの復活だったんです。僕らと同世代ユーザーの東芝ブランド離れを覆し、いかに魅力的にアピールできるかが最大の目的でした。デザインはその手段のひとつ。家電業界の大きな波に小さな動きや組織が飲み込まれてしまってはならないと、あえてアンチ的なスタイルを取ったまでで、当時めざしていた方向はあくまでも東芝ブランドの復興であり、現在では日本の家電業界の復活だったんです」。

「自分たちで家電メーカーを作っちゃおう!」

10代の頃からDJとしても活躍してきた熊本。’01年にイラストレーター若野桂を起用した東芝の電子レンジ〈メカール〉も、彼のクラブ・ネットワークから生まれたデザイン家電第1号。より自分たちのつくりたい家電を創るため、東芝時代の上司であり、『atehaca』開発の陰の立役者でもあった田部井正輝(現リアル・フリート取締役)、プロダクトデザインとクリエイティブディレクションを担当する鄭秀和(有限会社インテンショナリーズ代表)を中心に、クリエイター仲間がコアメンバーとして集り、会社を立ち上げた。
「そもそも、自分たちで家電メーカーを作ってやろうという発想自体が無謀ですよね。経営スキルを特別に学んだわけじゃないし、すべては遊びの中から学んできたことばかり。でもね、できると思えちゃうところが僕にはあるんです(笑)」。

清めの屏風 空気清浄機「PA-101」

ワンルームから始まった会社が世界のマーケットをロックオン。

熊本の見つめていた視点は、デザインそのものよりも商品とユーザー間のコミュニケーションのあり方。企画・デザイン・製造・販売をすべて一貫してプロデュースする独自の経営スタイルも、それらを緊密に柔軟に結ぶためのもの。また、それと並行して大手メーカーとの共同開発も展開するなど、会社設立わずか5年で飛躍的な成長を遂げてきた。
「会社はすぐに作れても、問題は商品をどうやって作っていくかですよね。西麻布のワンルームに集まって“俺たち家電メーカーを作ったけど、さてなにからやろっか”って(笑)、それが5年前。マーケットが飢えている状況はわかっていたし、僕と同じ価値観を持ったお客さんは世界にもいるはずという確信があった。ブレイクのきっかけとなった電子計算機も、“俺コレ作ってます”と名刺代わりに配りたかったんですよ。どうせなら、世界の人に知ってもらおうと思って」。

アクティブな企業スケールで、時代の直感を捉える!

1つの空間の中にある“家具としての家電”。そのデザインワークを一手に担っているのが、クリエイティブディレクターの鄭秀和氏。クラフトワークの良さを活かした、こだわりや遊びごころをくすぐる仕掛けも、『amadana』の魅力だ。
「すでに顕在化しているマーケットニーズに応えることが、僕らのミッションではない。最大公約数的にニーズを捉えていくという手法は、むしろ大手メーカーのやる分野で、そういう意味で共存共栄の役割分担ができればいいかなと。もうひとつ大きな違いは、意思決定が早いということ。マーケットのスピードについていけないような組織規模でないところが、僕らの強みでもある。鄭氏とは、80年代後半〜90年代に聴いて来た音楽や親しんできたファッションなど、育ってきた環境も共通するミドル・スクール*世代なんで(笑)、議論をする必要は特に無い。消費は直感的なもの、理屈っぽい商品を作っても仕方が無いですし」。

*ヒップホップ音楽の曲調やファッションなどのスタイルは、オールド・スクール(70年代〜80年代初期)、ニュー・スクール(80年代後期〜現代)と時代で区別され、それらを繋ぐ年代もまた「ミドル・スクール」と言われ区別される。

「これでいい」ではなく、「これでなくては!」。

消費は理屈じゃない、まさに直感。商品開発の原点もそこに集約されると熊本は言う。では、直感で手にしたものに愛着が湧くようになるのは、どういうことか?
「愛着が持てる商品というのは、実はデザインや質感へのこだわりだけでなく、たとえばそれを目にする機会やタイミングだったり、憧れている人が使っているとか、そうした単純なことだと思う。愛着を持って使っていたものが、買って1年経ってから店頭に山積みで安売りされていたら、急に魅力が褪せちゃうこともあるでしょ。だから僕らは、そうした部分まで考えてきちんとデザインすることがとても大切だと思っています。“あ、いいな”と直感で買いたくなる商品であることも大事、さらにその後ファーストインプレッションを裏切らないことも、大事にしていかなくては。愛着の湧かない、簡単にゴミになってしまうような商品を世に送り出すことが、いちばんのムダだと思っています」。

ブランド名である「amadana」の由来は、江戸時代に漆器問屋が多く集まったといわれる日本橋界隈の通称“尼店(あまだな)”から。日本が世界に向けて発信してきた「用の美学」(使うことに忠実に作られたものに自ずと生ずる美しさ)を、日本ならではの感性と高度な技術力で、新たな“カデン”として再び世界へ。後編では、「2008年は世界進出元年」と語るイノベーターの次なるヴィジョンにフォーカスします。

前編/STELLA-VIEW
後編

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