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FEATURE#19「じっくりつくる、キレイな味。」 平野 由希子 / 料理研究家

プロフィール

平野 由希子(ひらの ゆきこ)
東京在住。お菓子作りをきっかけに料理の世界に入り、1992年に子供向けの料理絵本を企画、文化出版局より初出版。その後フランスに渡り、パリの「エコール・リッツ・エスコフィエ」などで料理を学ぶ。帰国後、雑誌、書籍、広告、メニュー開発など幅広い分野で活躍。ル・クルーゼを使った家庭料理を提案する『「ル・クルーゼ」だから、おいしい料理』(2003年地球丸)、初エッセイ集『料理研究家のつくり方』(2007年白夜書房)ほか著書多数。自身の食生活をつづるブログ『平野由希子・火曜日のMENU(ムニュ)〜ル・クルーゼごはんのあれやこれ』も公開中。

イントロダクション

キッチンに映えるオレンジなどのカラーバリエーションに、どっしりとした厚手の蓋が特長のフランス製鋳物ホーロー鍋「ル・クルーゼ」。料理好きの憧れのツールとして人気だが、ポトフやシチュー以外に上手く使いこなせないという人も多いのでは?そんな悩みをさらりと解決してくれたのが、料理研究家・平野由希子著書の料理本。シンプルな調理法で素材そのものの味をじっくり引き出す、目からウロコ!のレシピがいっぱい。まさにスローフード、ロハスなクッキングスタイルとして、あっという間に広く浸透した。パリでの生活を通じて見出した素顔のフランス料理から、日本人の食生活になじむお料理まで、「とにかく料理するのが大好き!」という彼女のライフスタイル・レシピを語っていただきました。

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前編
後編
前編
無理をしない“キレイな味”を、毎日じっくり楽しむために。

ありとあらゆる料理のレシピ本が書店に並ぶ中、「えっ、これだけでいいの?」と料理本来の目的や素朴なおいしさに気づかせてくれたのが、平野由希子の著書の数々。肩を張らず、素材や道具ときっちりじっくり向き合うことから生まれる、ピュアなおいしさや楽しさをより多くの家庭料理家たちへ。

白に統一された、どこか懐かしいキッチンから。

昔ながらの風情を残す住宅街の一角に、和洋折衷の教会風の建物が佇む。緑の葉の繁るアプローチを抜けた先には、築80年の建物をリノベーションした集合住宅。ここに、料理研究家・平野由希子の自宅兼キッチン・スタジオはある。
「ある時たまたま新聞でこの建物のリノベーションの記事を見つけて、一目惚れしちゃったんです。時間の経過とともに自分の生活になじんでいくような造りや雰囲気が気に入っています。ここで毎日お料理したり、レシピを考えたり、本や雑誌の撮影もしています。ル・クルーゼのお鍋はインテリアとしても映えるので、よく使うものを棚に並べて、あとの調理器具や食器等はスッキリとキャビネットに収納。毎年訪れるフランスで見つけた食器など、古くても愛着の感じられるデザインの雑貨も好きですね」。

フランスに伝わる“煮込む料理”を、ル・クルーゼで紹介。

子どもの頃からお菓子づくりに熱中し、料理コンテストでも入賞。料理研究家への夢は、ごく自然に彼女の中で紡がれ、実現へと導かれていった。ル・クルーゼとの出会いも同じ。
「フランスの料理に深く触れていくうち、そのひとつとして自然に出会ったという感じ。仕事でよく使うようになったのは、日本でもインテリア雑貨として注目され始めた頃ですね。憧れて買ってみたものの、たいていはポトフやビーフシチュー、カレーなどを作っておしまいという人も多かったと思うんです。料理研究家の仕事では、“簡単・スピーディー”が求められがちですが、全部そうでなくてもいいんじゃない?と感じていたんですよね。長時間かけて“じっくり煮込む”という日本にはもともとあまり無かった料理を、ル・クルーゼを使って紹介していけたらと思ったんです」。

「簡単、おいしい」のコツは、“急がばまわれ”。

「忙しい現代の生活では、10分で作れるお料理レシピもそれはそれで魅力的だとは思いますが、ル・クルーゼで作るお料理は、時間はかかるけど放っておけばいいので、実はとっても楽なんです。短時間で作るって、実はけっこうたいへんなんじゃないかしら…。電子レンジは速い分忙しないし、私はどうしても自分の望むように上手く加熱できないから、おいしくならないんですよね。ル・クルーゼなら、ポンと素材を入れて塩してオリーブオイルをかけて…それだけで思った以上に素材の味がしっかり引き出されて、簡単においしくできちゃう。『15分でつくる』と『ゆっくりつくる』の2編の本を出していますが、“15分”とはいっても、時間短縮がテーマではありません。枝豆の蒸しゆでやきんぴらなどは特別スピーディーな料理というわけではないけれど、シンプルな調理法で、“15分あればこんなにおいしい料理ができる”ということを伝えたくて、作りました」。

「作ってみておいしい!」が、料理研究家としての仕事。

料理のプロと言っても、立場や役割はさまざま。レストラン・シェフの料理は“食べておいしい”ことが求められるが、料理研究家の場合はそれとは意味合いが少し違ってくる。
「毎日料理のことばかり考えてきたし、料理のプロですから、当然私が作ればおいしくできます(笑)。でも、それでは意味が無いんですよね。私の仕事は、皆さんが実際にご家庭で作ってみて、簡単に作れておいしかったかどうかが大切。私の作った料理を食べてもらっておいしいって言われることも嬉しいですが、直接お会いできない、食べてもらえない人達に向けて提案しているので、“平野さんのレシピはおいしい”って言ってもらえるよう、調理手順や方法、素材選びなど、誰が作っても美味しく作れるような工夫を心がけています。やっぱり、シンプルなものがいいですね。技量に関係なく、“作ってみたい”と思えるレシピを考案してこその料理研究家だと思っています。

素材の良さを引き出した、“キレイな味”を伝えたい。

忙しいと、つい外食の味に頼ってしまいがち。でも、ひと口目でおいしさを印象づける必要のあるコンビニエンスな料理に慣れてしまうと、自分で料理をする際にも、余計な“無理”をしないと納得できなくなってしまう。
「おなじみのミネストローネも、普通はベーコンや固形スープを入れて作りますよね。20分ぐらいで作れて、それで十分おいしいと思います。でも例えばル・クルーゼで、野菜だけを30分〜1時間煮てみてほしいの。そうすると、野菜からじっくりしっかり旨味が出てくる。固形スープを使わなくてもちゃんとおいしい、本来の“野菜スープ”になるんです。私の場合、肉じゃがなどの和食にもだしはほとんど使いません。私達が毎日本当に食べたいものって、無理して何かを足して味付けしたものではないはず。シンプルであるほど、お鍋の力が素材そのものの“キレイな味”をきちんと教えてくれるはずです」。

「残り野菜のスープ」 レシピはこちら

ル・クルーゼでごはんを炊くと、炊飯器よりも早く驚くほどおいしく仕上がるのをご存知ですか?フランスに伝わる煮込み文化から和食まで、マルチに活躍してくれる昔ながらのお鍋の魅力を、ぜひ家庭でも試してみたいですね。後編では、料理をよりおいしく作る・楽しむための「かんたんなこと」を、インタビューでご紹介します。

前編
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