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FEATURE#21「和魂Tシャツ、相伝。」 “JAPAN MADE”のTシャツ文化を創り続ける老舗繊維メーカー三代目のオーガニック発想。 久米 博康 / 久米繊維工業専務取締役

プロフィール

久米 博康(くめひろやす)
1935年創業、日本におけるTシャツメーカーの草分け『久米繊維工業』の三代目として早稲田大学在学中より商品企画に参画。長男・久米信行代表取締役社長、三男・久米秀幸常務取締役とともに、現在専務取締役を務める。NPO 日本オーガニックコットン協会理事。「守・破・離」の精神で、永く愛用できる日本でこそ創りえるTシャツを追求。

*「NPO法人 日本オーガニックコットン協会http://www.joca.gr.jp/

イントロダクション

『久米繊維工業』は、1935年に初代が東京下町の繊維産地であった本所石原町にメリヤス工場として創業。アメリカ文化が輸入され始めた50年代、二代目(現相談役)が国産Tシャツの先駆けとなる「色丸首」の製造・販売をスタートする。それまでの肌着という概念を払拭し、70年代以降はVANなどのブランド創成期〜DCブランド全盛期に至るまで、“日本のTシャツ文化”を創出し続けてきた。三代目となる3兄弟は、それぞれのノウハウと実力を発揮し、IT時代に先駆けてのWEB展開や、グリーン電力認証システムの導入、ISO14001認証取得等エコロジーへの取り組みなど、Tシャツメーカーとして唯一無二の経営スタイルで、独自のプライオリティを確立。近年では、地球にやさしいオーガニックコットン(有機栽培綿)の支援にも力を注いでいる。その中心となってさらなる自社ブランディングの確立に取り組む博康専務にインタビュー。

※ オーガニックコットン
3年間農薬や化学肥料を使わないで栽培された農地で、農薬や化学肥料を使わず、自然のサイクルに逆らわない農法で生産された綿花のこと。

※ グリーン電力認証システム
太陽光や風力、バイオマス、地熱など、温室効果ガスや有害ガスの排出が少なく、環境への負荷が小さい自然エネルギーによって発電された電力を、 企業などが自主的な環境対策のひとつとして利用できるようにする仕組み。

創業73年国産Tシャツメーカー久米繊維工業製造! 熟練職人が縫い上げた「色丸首」「オーガニック・コットンTシャツ」を合計20名様にプレゼント! キャンペーン期間:2008年6月30日(月)〜2008年7月31日(木)17時受付分まで
前編
後編
前編
三代に渡って受け継がれる、国産Tシャツ専門メーカーとしての誇り。

創業以来70年以上、日本製Tシャツのエキスパートとしてアパレル業界を支えて来た老舗メーカー。裁断、縫製、検品、仕上げ、プリントに至るまで、一貫して国内のグループ会社で生産する唯一無二の “Tシャツ・ギルド”として、その誇りを次代へ伝え継がんと奮闘する三代目の熱い想い。

ベストセラーではなく、
「ロングセラー」を創る。

アメリカ映画に憧れていた先代がアウターとしてのTシャツ創りを手掛けてから、半世紀以上。70年代以降若者のファッション文化をリードしてきたTシャツは、今やすべての年代層に最もポピュラーなファッションアイテムとしてすっかり定着した。 「先代は自分でミシンも踏めれば企画もし、営業や経理なども1人でこなせるスーパーマンだったんです。あるTシャツが国内で大ヒットし、かなりの枚数を売り上げていた30数年前。意気揚々とヨーロッパ出張に出かけた先代が、“1年に何十万枚売っているかではなく、何年間売れ続けているのか”をまず問われ、ベストセラーよりロングセラーを重視するヨーロッパの考え方に深く共感したのです。定番が生まれにくいファッション業界の中で、いかに長くリピートしてもらえる商品を創り上げていくか。それが、現在の会社理念の根幹となっています」。

生産の国内空洞化時代に誕生した、「Tシャツ・ギルド」。

近年安価な海外製品や海外生産にシェアが大きく傾き、国産Tシャツの生産数も激減。時代の流れで多くの関連工場が縮小や閉鎖に追い込まれていった。現在ではTシャツの国内生産は1割にも遠く満たないのが現状だという。
「日本国内では需要も限られるため、数だけを追っていてはやがて限界が来る。他社が海外生産に流れていく中、あえて“日本で作り続けよう”という選択の時が、次なる転換期でしたね。実際、コスト優先の商品は職人がいくら高い技術を持っていても必要とされない場合が多いのです。でも、日本人には日本人の体型や、四季などを感じる独特の感性、触感へのこだわりがある。良いものにこだわったTシャツ創りをしていきたいと思った時、高い志を持った職人達が全工程にわたり1本に結びつくことが、ごく自然にできていきました」。

“JAPAN MADE”というプライドが生み出すもの。

Tシャツ・ギルドは、紡績、編みたて、染色加工、縫製など、細分化された各工程の専門職人=スペシャリストの集団。そのこだわりと熱意が、新たな国産Tシャツの時代を切り拓きつつある。
「シンプルなものほど難しい。でも、そこがモノづくりの面白さでもある。原料の選び方から扱い方まで、細やかな気配りで創られたTシャツは簡単には真似できないだろうという確信があった。直接肌に触れるものだけに、少しの技術の差もハッキリとした違いが出る。本当に良いものが創れれば、価格的なニーズには応えられなくとも、それを求めてくれるお客様は必ずいらっしゃる。国産がゼロにはならないと考えました。そして一般的な“MADE IN JAPAN”ではなく、あえて “JAPAN MADE”と銘打つことによって、自分たちが誇りを持ってお届けできるTシャツ創りをめざしました」。

国産オーガニックコットンTシャツの誕生。

中小企業がエコロジーや環境配慮に本腰を入れて取り組むことは、なかなか容易ではない。それでもあえて"sustainability=持続可能性"を重視し、3R[Re use(再利用)、Re cycle(再資源化)、Re duce(使用原料の低減)]の維持、拡大や省エネに積極的に取り組んで来た根幹には、老舗メーカーとしてのプライドが強く息づいている。

「長く着てもらえるものを作るということと、エコへの取り組みは、本来常に流行を生み出すアパレル業界にとってはキツいこと。なぜそれに取り組めたかと言うと、会社も社員も、“絶対に良いこと”だと思えたから。そうした中でNPO 日本オーガニックコットン協会との出会いがあり、その後’02年より有機栽培の和綿プロジェクト“しあわせのコットンボール*”、オーガニック和綿製純国産Tシャツ創りがスタートしました。」。

*しあわせのコットンボール
栃木県藤岡町で有機無農薬の農業を30年来営む現NPO渡良瀬エコビレッジ理事長・町田武士氏指導のもと、‘02年より有機和綿栽培プロジェクトが発足。40粒の種から始まり、多くのボランティアの協力により、栽培、コットンボールの収穫まですべて手作業で行なわれている。http://www.eco-online.org/ecovillage/

Tシャツから始まる、
オーガニックライフの提案。

5年の歳月をかけて、‘07年7月遂に純国産有機和綿Tシャツ第1号が完成。約90枚の内の一部が、世界のトップ・ミュージシャンが団結して世界全7大陸で開催される地球温暖化防止啓発コンサート “LIVE EARTH JAPAN*”のオフィシャルTシャツに。プロジェクトのきっかけを作った坂本龍一氏他の協力でYahoo!チャリティーオークションにもかけられ、話題となった。
「多くのボランティアの方々に支えられて収穫できた和綿の収穫量は極少量なため、商業レベルで販売を…というわけにはいきません。ただ、この本当にスローなプロジェクトによって、和綿有機栽培の楽しさや難しさ、そして収穫できた貴重な和綿の優しさを知りました。この試みを通じて環境への配慮が少しでも身近なものになってくれれば。メッセージツールにもなりうるTシャツが、そのきっかけになっていってほしいですね」。

*LIVE EARTH JAPAN
世界のトップ・ミュージシャンが団結して世界全7大陸の各地で順次開催される地球温暖化防止啓発に向けた世界規模のコンサートキャンペーン

コスト重視から脱却し、日本人の感性にフィットしたサスティナブルで、人に地球にやさしいTシャツの創造・発信へ。7月7日から開催される北海道・洞爺湖サミット(主要国首脳会議)でも、環境問題が大きくクローズアップされます。この夏、オーガニックコットンTシャツで、そのナチュラルな風合いが生み出す心地よさと、次の世代に受け継ぐべき豊かな環境の大切さを肌で感じてみませんか?後編では、Tシャツ創りのエキスパートが語る国産Tシャツの魅力をご紹介します。

前編
後編

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