上司や人事部門といった社内に実在する人物や部署から突然、業務メールのアカウント情報(IDとパスワード)の確認を求めるメールが届いたら警戒してください。
これは、企業や団体に多額の金銭被害をもたらしているビジネスメール詐欺(BEC:Business E-mail Compromise)の可能性があります。
ビジネスメール詐欺は、経営幹部や取引先の実在する人物を装う業務指示メールを従業員に送りつけ、サイバー犯罪者が事前に用意した口座に不正に送金させたり、業務情報をだまし取ったりする詐欺の手口です。
サイバー犯罪者は偽の送金指示メールを送る前段階として、従業員のメールアカウントを乗っ取り、業務メールを盗み見します。これは、メールのやり取りから業務内容や取引先、取引内容を知ることで信ぴょう性の高い詐欺メールを作成するためです。また、取引先との見積書や請求書のやり取りがメールで普通に行われていることも、サイバー犯罪者にとっては都合がいいのです。
実際、業務にWebメールを利用している企業への攻撃では、経営幹部や人事担当者をかたって業務メールのシステムに再ログインを促すフィッシングメールを送りつけ、受信者を偽のログインページへ誘導する手口が確認されています。
もし、誘導先ページでアカウント情報を入力してしまうと、メールアカウントを乗っ取られてしまう可能性があります。また、メールアカウントの乗っ取りでは、受信者にメールの添付ファイルを開かせることでキーロガーと呼ばれるウイルスに感染させ、IDとパスワードを割り出す手口も確認されています。BECに引っかからないよう、以下のポイントを確認しておきましょう。
ビジネスメール詐欺の手口や狙いを知り、勤務先に金銭被害をもたらさないよう慎重に行動しましょう。