私たちの身の回りには、QRコードなどの2次元コードがあふれています。QRコードには英数文字や漢字などの文字、それらを組み合わせたURLやメールアドレス、コンピュータが処理するためのデータなど、多くの情報を埋め込むことができます。また、QRコードは情報を読み取るために特殊な機器を必要とせず、対応するアプリの入ったスマホのカメラをかざすだけで特定のWebサイトにアクセスしたり、決済したり、SNSの友だちに追加したりすることができます。
たとえば、飛行機の搭乗券には氏名や性別、搭乗地、目的地、便名などの文字情報に加え、QRコードやPDF417と呼ばれる2次元コードが印字されています。「これから旅行」などのコメントとともに搭乗券の画像をSNSに投稿する利用者は、多くの場合、個人情報をさらしてしまうことを気にして文字にはぼかしをかけていますが、2次元コードへの配慮を忘れている投稿も見かけます。もし、そんな投稿が悪意のある第三者の目にとまってしまうと、2次元コード内の情報を読み取られ、悪用されるかもしれません。
2次元コードに埋め込まれている情報は航空会社によって異なりますが、主に氏名や便名、座席番号、予約番号、マイレージ会員番号などです。もし、セキュリティ対策がとられていない場合、スマホの一般的なカメラアプリでQRコード内の情報を読み取ることが可能です。
*セキュリティ対策として専用機器でのみ特定情報の読み取りを可能としている2次元コードもあります。
飛行機の搭乗券に限らず、お薬手帳や郵便物、チケットなど、2次元コードやバーコードなどを含む画像を何らかの理由でSNSに投稿する際はくれぐれも注意してください。想定外の情報をネット上にさらしてしまう可能性があります。たとえば、アプリ用のお薬手帳に印字されているQRコードには処方箋の情報が埋め込まれています。また、QRコードはバーコードと異なり、一部が隠れていたり汚損したりしていても読み取れるように設計されています。SNSに写真や動画を投稿する場合は、文字だけではなく2次元コードやバーコード全体をマスキングすることを忘れないでください。