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子どものプライバシーに配慮していますか?

子どものプライバシーに配慮していますか?

2019/04/25
子どものプライバシーに配慮していますか? ネットに子どもの写真や動画を投稿するリスクと注意点

インターネットが身近になった現在、ネットへの投稿を安易に考えている利用者も少なくありません。特に、まだ自身で判断ができない子どもとネットの関わりは、親や周りの大人が配慮する必要があります。子どもの写真や動画をネットに投稿するリスクと注意点を押さえておきましょう。

その投稿が子どもを危険にさらすかも

FacebookやInstagram、Twitter 、YouTubeなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やブログには、子どもの顔がはっきりとわかる写真や動画が大量に投稿されています。そのほとんどは「我が子を見てもらいたい」、「子どもの成長過程を記録したい」という親心からの行動でしょう。しかし、トレンドマイクロの調査によると、SNSへの写真投稿に関するトラブルについて詳細を知っている保護者は約3割にとどまっており、軽い気持ちで行った投稿が子どもを危険にさらす可能性もあることをより多くの保護者が認識する必要があります。

図:SNSに投稿した写真が勝手に加工・悪用されるトラブルの保護者の認知状況 N=618(複数回答)
※トレンドマイクロ「子どもと保護者のスマートフォン利用に関する実態調査 2018」より
https://www.trendmicro.com/ja_jp/about/press-release/2018/pr-20181226-01.html

SNSやブログは多くの人に子どもの成長を知らせる手段として有用ですが、ネットに情報をさらされる子どもの将来を危惧する声も大きくなっています。海外では、幼少期の恥ずかしい写真をSNSで公開し続けた両親を、成長した子どもが訴えたことが話題になりました。ネットに子どもの写真や動画を投稿するリスクについて見ていきましょう。

ネットに子どもの写真や動画を投稿した場合のリスク

第三者に収集、悪用されるリスク

子どもの写真は微笑ましいと思われるだけとは限りません。中には性的対象としている場合もあります。そのような何者かに写真や動画を収集され、児童ポルノサイトに掲載されてしまう可能性や、別の写真と組み合わせて悪質なコラージュ写真を作成されてしまう恐れもあります。また、海外ではネットからダウンロードした他人の子どもの写真を自分の子どもや孫であるとかたってSNSに投稿する「デジタル誘拐」も起きています。このように、ネット上の写真や動画は悪意を持った第三者に悪用される可能性があります。

妬みの対象や誹謗中傷されるリスク

ネットの書き込みは好意的なものだけとは限りません。投稿した子どもの写真や動画に対して暴言を書き込まれたり、ネット掲示板に転載されて誹謗中傷の的にされたりする可能性があります。また、当事者にとっては子どもの何でもない日常の一コマであっても、ネットにアップしている親やその子どもに対して不快感や嫉妬心を抱かれてしまう場合もあります。

子どもの自尊心を傷つけたり、将来に影響を及ぼしたりするリスク

成長した子どもが自分の名前をネットで検索したときに、「トイレトレーニング」や「おむつ替え」などの幼児期の恥ずかしい写真を目にしたらどう思うでしょうか。また、そのような写真や動画が子どもの友人の間で広まれば、冷やかしやいじめの材料になる可能性もあります。ネットに投稿した情報はコピーや拡散された場合、それらを完全に消し去ることは事実上不可能だということを忘れないでください。

子どもが事件に巻き込まれるリスク

自宅周辺や学校、公園など、生活範囲での撮影は写り込みにも注意が必要です。悪意を持った第三者に住所や行動エリアを割り出され、子どもがストーカーや誘拐などの事件に巻き込まれてしまう可能性があります。
看板や電柱、反射によるもの、室内では郵便物などの個人の特定につながるような情報の映り込みにも注意しましょう。

子どもの写真をネットに投稿するときの5つの注意点

こうしたリスクを回避するための最善策は、子どもの写真や動画をSNSやブログに投稿しないことです。しかし、我が子の可愛らしい一瞬が撮れたら、つい周りの人に見せたくなる気持ちもわかります。
リスクを踏まえた上で、ネットで子どもの写真や動画を掲載する場合の注意点をおさえておきましょう。

1.投稿の公開範囲を友人や家族だけに制限する

公開設定のままネットに投稿した写真や動画は、仲間内だけでなく、不特定多数の目に触れ、悪用される可能性もあります。投稿するSNSやブログの用途に応じて適切なプライバシー設定を行い、プロフィールや投稿の公開範囲を制限しましょう。
SNSなどのネットサービスは、頻繁に機能が追加、変更される場合もあるので、定期的に設定を見直すことも大切です。また、用途に応じて信頼できるネットサービスを選定し、必要以上にプライベートな情報を公開しないようにしましょう。

2.子どもの尊厳と安全に配慮した写真や動画を選定し、投稿前に内容を見直す

不特定多数が見られるSNSやブログなどで公開した写真や動画は、だれが、どのような目的で見ているかわかりません。もし写真や動画を後から削除したいと思っても、削除する前に第三者がコピー、拡散した場合、全てを消去することは事実上不可能です。ネットに投稿する際は、将来子どもに不利益を与えるような内容ではないか、立ち止ってよく考えるようにしましょう。また、だれかを不快にさせる内容、自宅や学校を特定できる情報が含まれていないことを確認しましょう。主なネットサービスは写真に含まれる位置情報などを、自動的に削除する設定となっていますが、サービスによってはそのような対策が出来ていない場合もあります。さらに、子どもの本名や呼び名を書き込むのも危険です。子どもは本名で呼びかけてくる悪意を持った相手に警戒を解いてしまうかもしれません。

3.検索設定に注意する

SNSなどのアカウントは、Googleなどの検索結果や、「知り合いかも」の一覧に表示され、不特定多数の目に触れる可能性があります。LINEでも「友だちへの追加を許可」をオンにしていると、それほど親しくない相手や見知らぬ相手ともつながってしまい、アイコン画像をさらすことになります。もしアイコンに子どもの写真や一緒に写っている写真を利用している場合は、広く自分のアカウントを周知させる必要がなければ、ネット検索に反映させない設定に変えるなど、利用しているサービスの用途に応じて設定や利用するアイコンの画像を見直しましょう。

4.友人や知人の子どものプライバシーにも配慮する

友人や知人の子どもと一緒に写った写真をSNSに投稿する場合は、事前に保護者全員の了承を得るか、顔をモザイクやスタンプで隠すのが原則です。入園式や運動会など、幼稚園や小学校の行事では子どもたちの名札が写り込んでしまうケースもあるため、とりわけ注意が必要です。SNSで共有する場面では、当事者間のダイレクトメッセージや信用できるグループの中でのみやり取りすることを心がけるとともに、共有した写真を無断でネットに掲載しないよう、お互いに確認しましょう。

5.利用しなくなったSNSやブログのアカウントを削除する

SNSやブログのアカウントを放置していると、何かの拍子に不正アクセスを受けてもその事実に気づきにくくなります。プロフィールや投稿内容をのぞき見されたり、なりすましや保存されている子どもの写真や動画などの情報を悪用されたりする危険があります。無用のトラブルを避けるためにも利用しなくなったSNSやブログのアカウントは削除しておきましょう。

ネット利用時は、子どものプライバシーへの配慮を怠らないようにしましょう。

コンテンツ提供: トレンドマイクロ「is702」
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